とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「黄金のアウトプット術」成毛眞

おなじみ成毛眞さんの新書です。この本で言っていることはただ一つ「とにかくアウトプットしようぜ」ということです。特に文章を書く、人前で話す、自分の見た目のアウトプットといったことなどを中心に、その効果や心構えを書いています。

建築学生はアウトプットを鍛えられる

建築設計を仕事にしている人は、実は結構このあたりを学生時代に鍛えられます。特に設計課題ではコンセプトを魅力的な文章にまとめ上げる必要があるし、図面やパースなどビジュアルなアウトプットの他、模型という立体も作ります。アウトプットのセンス、能力を徹底的に問われます。そしてそれを人前で話す必要があります。単純に習ったことを覚えるのが得意なだけでは乗り切れません。卒業設計なんかになるとテーマも自由なので、正解がないどころか、問すら自分で立てて、自分で答える必要があります。

アウトプットするようになるとインプットのレベルも上がる

この本の中でも言われていますが、アウトプットをするようになると、ものを作り手目線で見るようになるので、インプットのレベルが俄然上がります。建築の学生も設計課題をやる前と後では雑誌の見方から、実作の見方までまるで変ります。作り手の意図を読み、自分の製作プロセスに組み込んでやろうと思って観るので、そこから学ぶ情報量が増えるのです。これは多分どの分野でもそうで、人前でしゃべるようになれば、TEDもそういう目で見るようになるし、自分でブログを書くようになれば、人気ブログのテクニックに気が付くようになります。

アウトプットを求められる時代

インプットだけが得意な人というのは今後、出来の悪いウィキペディア化してしまいます。なんでもネットで調べればある程度分かってしまう時代に、知識があるというだけではあまり強みになりません。独自のアウトプットがどれだけできるか。逆に独自のアウトプットができる人は、SNSだろうが何だろうが現代では有効なツールがあふれているのでどんどんチャンスを増やすことができます。

でも人気ブログを作るのは難しい

このブログは一年弱続けていますが、そのアクセス数たるや本当にわずかなものです。多くの読者をひきつける書評サイトを書くというのはなかなか難しいものだというのを痛感しました。ただ、それはアウトプットを実際にやってみたから分かったことです。最低でも100記事までは続けようと思っています。そしたら別のブログを始めるかもしれません。いろいろやってみれば自分に合っていて、かつ、人に読んでもらえる切り口が見つかるかもしれません。とりあえず、アプトプットあるのみ。

 

評価:★★★(5段階評価)