とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「PERって何?」小宮一慶

「ヤマ勘投資」で損しないために

経営コンサルタント小宮一慶氏が書いた投資指標の教科書です。私のメインの投資はインデックスファンドの定期的に買い続けるというものですが、サテライトの投資として半分遊びで個別株もちょこっとだけ持っています。自分の未来予測が当たるかどうかというゲームとして楽しんでいます。それなりに自分の中で理屈があって伸びると思った会社を選んでいるつもりですが、「ヤマ勘投資」の域を出ているとは言えません。

マチュアがプロに勝つための投資スタンス

著者の考えるおすすめの投資スタンスは下記のとおりです。

・リスクの取れる余裕資金で
・経営が安定している優良企業の株を、
・市場全体の地合いが下げている時に買い、
個人投資家の最大の武器である「時間」を活かし、長期保有する。
・そして、年3%前後の配当利回りも継続的に得ていく。

というものです。レオスの藤野さんの本と同様、この本でもやはり「時間」が武器という主張です。

そのうえで①経済分析、②企業分析、③株価分析の方法を様々な経済指標とともに解説しています。取り上げられている経済指標は、タイトルになっている「PER」も含め全部で数十ワードに及びます。はっきり言って一度読んだだけでそのすべては覚えられませんが、そもそもどんな経済指標があるのかを知っておくだけでも有益だと思います。現在自分が保有している銘柄に関する指標も今後はチェックしていくようにしたいと思いました。

それは航空機のパイロットがコックピットにずらりと並んだ計器の意味を習うようなものかもしれません。窓から見える景色だけで安全な飛行はおぼつかないでしょうから。

きっと10年とたたないうちにリーマンショックとまでは言わないまでも世界的に株価が大幅下落するフェーズは来るでしょうから、そこで割安な企業の株を買えるように今から指標を読めるように勉強をして、めぼしい企業をウォッチし始めておきたいなと思いました。

個別株の運用を行う人が一歩レベルアップしたいときに読むと良い気がします。

評価:★★★★(5段階評価)

 

図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書

図解「PERって何?」という人のための投資指標の教科書