とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「幼稚園では遅すぎる」井深大

幼児教育の重要性を早くから訴えていた井深大

あのソニーの創業者、井深大さんが幼児教育の本を書いていたと走りませんでした。幼児教育の重要性に早くから気づいていた井深さんは、1969年に幼児開発協会を設立し、研究を進めたといいます。本書はその成果がまとめられた本ですが、とにかく3歳までが決定的に重要なので、その間に知的な刺激を与え、運動し、身体能力を高めるべきだということが繰り返し書かれています。60年代にそこまで見通していたこと、さらにそれを科学的に研究しようとしたこと、その先見の明はさすが世界のSONYを作った方です。

母親観はやや古いが、最新の教育書と一致する点も多い

ただ、巻末に「本当の幼児教育は母親にしかできない」という章があり、読むと幼児教育は母親がするもの、という考えが強く、やや今の時代には合わないところも感じます。そこはまあご愛敬。それを除けば、参考になる点の多い本です。

また、3歳までの教育が決定的に重要であるという点は、モンテッソーリ教育の本や、先に紹介した「学力の経済学」の主張とも一致します。

 

そう考えると保育園の環境も気になるところですが、今の東京では認可保育園に入れればラッキーという状況。これからの日本を担う人材を育成する上で、幼児教育の環境は超重要です。保育園問題は早く解決しなくてはいけませんね。

 

評価:★★★★(五段階評価)

 

幼稚園では遅すぎる 新装版 (サンマーク文庫 G- 108)

幼稚園では遅すぎる 新装版 (サンマーク文庫 G- 108)