とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「専業主婦は2億円損をする」橘玲

日本人の10人のうち6人は専業主婦になって2億円を放棄している!?
大学を出た女性が60歳まで働いたとして、平均的な収入の合計は2億1800万円だそうです。ところが日本人の10人のうち6人は専業主婦になってこの収入を放棄してしまっています。共働きをすればふたりで5億も6億も稼げるのに、それを放棄していることにどれだけ自覚的なのか、それが本書のテーマです。

女性の人生設計の指南書

本書はこれからは共働きの時代てあるという主張とともに、女性の人生設計の指南書として以下のようなポイントが語られています。

①幸福の8つのパターン
②仕事の内容、仕事の在り方の変化
③結婚の在り方の変化
④専業主婦の現状
⑤これからの女性の働き方戦略
⑥母子家庭のリスク

①は以前このブログでも紹介した橘玲さんの「幸福の「資本」論」でも出てきた幸福のカテゴリー分けです。(プア充、ソロ充、等々)実は本書は「幸福の「資本」論」の女性向けに特化してスピンアウト企画なのです。注目は⑤の内容。

・子育てを外注するという戦略
フリーエージェントという戦略
・生涯共働きが最強の戦略

働く女性の悩みは仕事と育児の両立です。どうしてもすべて自分でやろうとして無理をしてしまいがちなのを思い切って外注することで乗り切ることを提案しています。日本ではまだ抵抗があるかもしれませんが、香港やシンガポール、フィリピン、インドネシア、タイ、マレーシアでは中級以上の過程では家政婦いるのが当たり前だといいます。

確かに子育てで大変な時期にベビーシッターや家政婦の力を借りるのにトータルで数百万円かかったとしても、生涯年収2億円をドブに捨てるよりマシです。

また、これからは特に専門的な能力を持った人はフリーエイジェントでよりライフスタイルに応じた自由な働き方が可能な世の中になってくるといいます。クリエイティブクラスの人々は自分の好きな仕事を、好きな人と定年なく長く続ける時代。

そうして夫婦が生涯共働きを続ければ老後の資金の問題(年金制度の崩壊、老後資金への不安等)そのものが解決してしまう。

 

我が家も今年子供が生まれそうですが、とにかくいかに共働きを維持できる環境づくりをするかを最優先課題にしようと思ってまいます。で、まずは食洗器と乾燥機付きの洗濯機を導入しました(笑)フィリピン人の家政婦さんだったら子供の英語教育にもいいかな、とかそんなことを考えています。我が家にとっては「共働き維持のための投資は惜しまない」というスタンスの理論的バックボーンになる一冊です。

評価:★★★★(5段階評価)

 

専業主婦は2億円損をする

専業主婦は2億円損をする