とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「宝くじで1億円当たった人の末路」鈴木信行

日経ビジネスの副編集長がタイトルにもなっている「宝くじで1億円当たった人」や「事故物件を借りちゃった人」「子供を作らなかった人」「自分探しを続けた人」「8時間以上寝る人」等の末路をインタビューによって探った本です。

 

タイトルと編集の妙

これはさすが日経ビジネスの副編集長、本のタイトル設定のうまさと、「〜の末路」という切り口のうまさによるところの大きい本です。この切り口・編集を外して、冷静にこの本で行われているインタビューの内容だけを見ると、ただのインタビューといえばただのインタビューです。内容的には特別斬新な内容というわけではありません。同じインタビュー素材を持っていても、普通に書いたら統一感のない、超地味な本になり兼ねないところを力技でまとめています。

 

疑問を抱かせるテクニック

以前、最近の本は「なぜ○○は○○なのか」というタイトルの本が多いのは読者に疑問を抱かせ、この本を読めばその疑問が解消されると思わせることで、本を思わず買ってしまうことを狙っているんじゃないかと書いたことがあります。この本も「○○の末路」というタイトルを見た人は「この人はこの後どうなったでしょう?」という疑問を植え付けられ、知りたくなって思わず手に取ってしまいます。(私がそうでした)

 

宝くじで1億円を手にした人がその後どうなったか知りたいですか?
ここには書きません。
この本の中に書いてあります。

 

評価:★★★(5段階評価)

 

宝くじで1億円当たった人の末路

宝くじで1億円当たった人の末路