とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

「わかりたい!現代アート」布施英利

現代アートを語る上で欠かせない34人のアーティストを「モダン」と「ポップ」という2つのキーワードでザックリと概観する現代アートの初学者向けの文庫本です。

私は現代アートの体系だった知識は持ち合わせていませんが、好きで美術館に展覧会を観に行ったり、建築設計の仕事をするなかで、パブリックアートなんかを設置したり、アーティストの方と一緒に仕事をする機会があったりと、それなりに現代アートに触れ合う機会はあります。ところが断片的な知識が断片のままふわふわしてなかなか像を結ばない。そんなこともあって、現代アートのザックリした全体像をちゃんと頭に入れておきたいなあと、たまに初学者向けの現代アート本を手に取ることがあります。

この本には34人のアーティストが「要するにに何をやろうとしたのか、どこが評価されたのか」を時系列に並べて平易な言葉でまとめています。時系列に並べ、現代アートの進化の文脈が整理され、それをモダンとポップというキーワードで整理してくれているおかげで頭の中をふわふわ漂っている断片的な知識がに、インデックスをを付けて棚に並べ直してくれるような本です。

弱点は写真があるものの作品そのものの写真が掲載されていないことでしょうか。私も作品をよく知らない作家の章はいまいちピンと来ませんでした。そういう意味では作品を知っている前提で書かれた本かもしれません。

 

評価:★★★(5段階評価)