とあるリーマン建築家の書評ブログ

建築、デザイン、アート、ビジネスなどを中心に興味の赴くままに読んだ本を不定期でご紹介します。

ビジネス

「株式投資の未来」ジェレミー・シーゲル

名著と呼ばれる本はやっぱりすごい 長期投資家界隈で、名著と呼び声の高い本書。実際に読んでみて、確かに名著でした。名著というのは誰かが一生懸命研究したことの受け売りではなく、手間暇かけて研究して、考えに考えたその本人が絞り出すように書いた本で…

「働き方 完全無双」ひろゆき

2ちゃんねるでおなじみの「ひろゆき」氏の新作です。まず、日本が経済的にどんどん苦しい状態になっていき、稼げる人と稼げない人の二極化が進むということを前提とし、そんな中どうサバイバルしていくかということを考えた本です。 「新しいこと」にはとに…

「これからの教養 激変する世界を生き抜くための知の11講」菅村雅信

代官山蔦屋書店で行われた11回の対談をベースにまとめられた本です。計11名。各分野の第一線で活躍する方々です。 1.東浩紀 作家・思想家 2.池上高志 人工生命研究者 3.石川善樹 予防医学研究社 4.伊東豊雄 建築家 5.水野和夫 経済学者 6.佐々木…

「建築家のためのウェブ発信講義」アーキテクチャーフォト・後藤連平

建築の情報サイト、アーキテクチャーフォトの編集者後藤廉平さんの本です。アーキテクチャーフォトは日常的によく見ていたのですが、後藤廉平さんという個人がやっているサイトだとは、また、その後藤さんが同世代の京都工芸繊維大学出身だということも知り…

「黄金のアウトプット術」成毛眞

おなじみ成毛眞さんの新書です。この本で言っていることはただ一つ「とにかくアウトプットしようぜ」ということです。特に文章を書く、人前で話す、自分の見た目のアウトプットといったことなどを中心に、その効果や心構えを書いています。 建築学生はアウト…

「教養としてのテクノロジー」伊藤穣一

MITメディアラボ所長の伊藤穣一さんの新書です。前作「9プリンシプルズ」は立ち読みしただけですが、文章がかなりとっつきづらい印象でした。それからすると本書は相当に読みやすく書かれている印象です。内容としてはテクノロジーが社会の変化とどうシンク…

「集中力はいらない」森博嗣

異能の人 森博嗣さんは小説家ですが、実は森さんの小説を読んだことはありません。読んだことがあるのはエッセイ系の本ばかりです。森さんは実は名古屋大学の建築の先生です。デザインではなく、エンジニアリング系の専門家です。著作を読むと思考方法が独特…

「自分のことだけ考える。」堀江貴文

いつものホリエモン節 ホリエモンはかなりのペースで本を書いているので、流石に既視感のある内容ではありますが、とにかく他人に惑わされる事なく自分がやりたい事をやりたいように「今すぐ」やれ、ということを繰り返している本です。 IT系のスピード感 特…

「PERって何?」小宮一慶

「ヤマ勘投資」で損しないために 経営コンサルタント小宮一慶氏が書いた投資指標の教科書です。私のメインの投資はインデックスファンドの定期的に買い続けるというものですが、サテライトの投資として半分遊びで個別株もちょこっとだけ持っています。自分の…

「代官山再開発物語」赤池学

代官山アドレス開発のドキュメンタリー 久しぶりに建築がらみの書籍のご紹介です。再開発案件に初めてかかわっていることもあって勉強を兼ねて読んでみました。これは代官山アドレスが再開発事業として計画されてから実現に至るまでのドキュメンタリーです。…

「新・生産性立国論」デービッド・アトキンソン

「新・観光立国論」「新・所得倍増論」に続く「新・生産性立国論」。ゴールドマンサックス仕込みの徹底的なデータ収集と分析に基づく提言は今回も切れ味抜群です。 徹底的にロジカルな論運びなので、章立ても明快です。 第1章 人口減少は「生産性」向上でし…

「橘玲の「中国私論」」橘玲

設計をしていると中国に出張で行く機会があります 建築の設計の仕事をしている関係でたまに中国に出張に行くことがあります。建物の外壁は構造ビルだとカーテンのようにぶら下げる「カーテンウォール」という技術を使いことが多いです。施工的には現場ではこ…

「未来予測の技法」佐藤航陽

「お金2.0」で大ヒットを飛ばしている佐藤航陽さんの本を遡ってみたいと思い、買ってみました。 佐藤さんの予測によるとまず、「国家の重要度が低下する」。その予測のスタートは「国土の重要度が低下するから」。なぜか。それは農業や工業の時代は国土が生…

「日本再興戦略」落合陽一

メディアアーティスト落合陽一氏が日本のグランドデザインを記した一冊です。 「均一な教育」「住宅ローン」「マスメディアによる消費者購買行動」を3点セットとして突き進んだ高度経済成長のモデルが陳腐化 欧米を範としながら「均一な教育」「住宅ローン」…

「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」岩崎夏海

以前大ヒットしたこの本、アマゾンで古本が安く売っていたので買って読んでみました。ちょっと前のベストセラーというのは古本も大量に出回っていて安く手に入ります。 設定の勝利 さて、今更解説するまでもなく、本書はその名の通りドラッカーのマネジメン…

「お金2.0」佐藤航陽

帯には「仮想通貨、フィンテック、シェアリングエコノミー、評価経済・・・「新しい経済」を私たちはどう生きるか!」とあります。まさにテクノロジーで経済の仕組みがどう変わろうとしているかを若き起業家が語っている本です。 「資本主義」から「価値主義…

「ユニクロ潜入一年」横田増生

渾身のルポ ユニクロの実態に迫るためになんと1年以上ユニクロで実際に働くという渾身のルポタージュです。 物語は2011年に「ユニクロ帝国の光と影」という本を出版した著者が、合法的に名前を変えてユニクロに勤め取材を続けるも、2016年末に文春に書いた記…

「社長の「まわり」の仕事術」上坂徹

読者の多くは社長の「まわり」の人たち 社長や起業家について書かれた本は数知れず。ただ、読者の大半は社長でも起業家でもなく、その周囲を固めているスタッフであったりすることが多いのだから、社長の「まわり」の人が社長をどう支えているかを伝えるのも…

「本気になって何が悪い」唐池恒二

JR九州会長の武勇伝 ずばりこれはJR九州の会長の武勇伝です(笑)今は他の鉄道会社もデザイン性の高い列車を運行するようになりましたが、そもそもやり始めたのはJR九州。デザイナー水戸岡鋭治さんとのタッグはまさに理想的なパトロンとデザイナーの関係です…

「アマゾンが描く2022年の世界」田中道昭

生活を支配しつつあるアマゾン ちょっと怖いくらいに便利で、安く、生活のあらゆる分野に触手を伸ばしつつあるアマゾン。最初はネット書店だったのがいつの間にか僕は本だけではなく色んなものアマゾンで買うようになりました。僕もアマゾンプライム会員にな…

「変な経営論」澤田秀雄

変な経営者 ハウステンボス社長にしてHISの社長兼会長の澤田秀雄さんのインタビューをまとめた新書です。最近ではロボットがサービスを行う「変なホテル」でも知られています。さらに今年の3月から3か月~半年間世界中を一人旅するという。とにかく次から次…

「一生、同じ会社で働きますか?」山崎元

転職について考えさせられることの多い最近経済評論家、山崎元さんの著書です。山崎さんは資産運用の専門家で、私も資産運用の基本的な考え方は大いに参考にさせてもらっている方の一人です。最近、会社で年齢の近い先輩達が相次いで会社を辞め、独立したり…

「日本の工芸を元気にする!」中川政七

ふきんをはじめとして日本工芸を現代的に解釈しなおした雑貨などで人気の中川政七商店の13代目、中川政七さんの著書です。 注目の若手経営者 ユーザーとしても人にプレゼントをする時によく利用することや、社長の年齢が近いこと、グラフィックデザイナーと…

「人生100年時代のお金の不安がなくなる話」竹中平蔵 出口治明

言わずと知れた竹中平蔵さんと出口治明さんが人生100年時代の生き方や経済について語り合う対談本です。 第1章は、まず、世界の変化に関する現状認識からスタートします。フィンテックの発達、現金から電子決済に日常の会計も移行しつつある世界のトレンドに…

「成功はゴミ箱の中に」レイ・クロック、ロバート・アンダーソン

柳井さんと孫さんが絶賛する男 マクドナルド創業者、レイ・クロックの自伝的ビジネス書です。序文をユニクロの柳井正さんが、あとがきをソフトバンクの孫正義さんが書き、さらに柳井さんと孫さんの対談まで巻末に収められており、柳井さんに至ってはこの本を…

「理系脳で考える」成毛眞

元日本マイクロソフト社長の成毛さんの本です。これからは理系脳の持ち主だけが生き残る時代だということで、理系脳の4条件を提示しています。 ①新しいものに興味がある ②刹那主義で未来志向 ③コミットの範囲が明確 ④コミュニケーションが合理的 読んでいる…

「リーダーを目指す人の心得」コリン・パウエル

黒人として初めて米国陸軍で4つ星の対象まで上り詰め、史上最年少で統合参謀本部議長を務め、国務長官でもあったコリンパウエルのリーダー論です。 パウエルのルール13か条 1.なにごとも思うほどには悪くない。翌朝には状況が改善しているはずだ。 2.まず…

「Airbnb story」リー・ギャラガー

ウーバーとともにシェアリングエコノミーの代表格として語られるエアビーアンドビーの創業物語です。チェスキー、ゲビア、プレジャージクの3人が、ひょんな事から立ち上げたエアビーアンドビーを世界的な企業にまで育て上げるプロセスをチェスキーはこのよう…

「世界を動かす巨人たち〈経済人編〉池上彰

池上さんが持ち前のわかりやすい語り口で世界を動かす経営者たちを紹介した本です。紹介する経営者たちはこちら。 ジャック・マー(中国の楽天、「アリババ」の経営者)ルパートマードック(ウォール・ストリートジャーナルを買収したメディア王)ウォーレン…

「死ぬほど読書」丹羽宇一郎

元伊藤忠社長、丹羽宇一郎さんの読書論です。 本に代わるものはない ネットで簡単に情報が集まる時代。しかし、情報の信頼性の点で本の優位性はあると言います。「自分は何も知らない」と自覚し、専門家の言うことだからと鵜呑みにせず、自分の頭で考えなが…